多汗症とは温熱刺激がない場合でも、大量に汗をかく状態であり、大きく全身性多汗症と局所性多汗症の2種類があります。
いずれも、何かの疾患がベースにあり、それによって多汗が起きている「続発性多汗症」と原因不明の「原発性多汗症」の2種類があります。
自分が多汗症かどうかを調べる場合には、まず多汗を引き起こしている病気がないかどうか、そして、全身性なのか局所性なのかを見極めることで、次に行うべき治療方法が明確になりやすいです。
まずは全身性か局所性かを知る
発汗時には全身から汗が噴出すという方は「全身性多汗症」の可能性があります。
この全身性多汗症の背景には「更年期障害」「ホルモン異常」「急性リウマチ」「結核」などの疾患が潜んでいる可能性があると言われています。
局所性多汗症ではその汗が出る場所別に
◎足蹠多汗症(そくせきたかんしょう)足の裏から多くの汗をかく症状
◎腋窩多汗症(えきかたかんしょう)脇の下に多く汗をかく症状
◎頭部多汗症(とうぶたかんしょう)頭から多く汗をかく症状
◎顔面多汗症(がんめんたかんしょう)顔面から多く汗をかく症状
の5つがあると言われています。
手掌多汗症と足蹠多汗症は併発することが多く、その場合は「手掌足蹠多汗症」と呼びます。
汗が出る場所が明確になったところで、それが本当に多汗症なのかどうかのセルフチェックに移りたいと思います。
多汗症のセルフチェック
◎手や足など左右対称に発汗が起こる。
◎25歳よりも以前から多汗の症状が気になるようになった。
◎家族や親戚に多汗症の人がいる
◎汗が急に増える症状は少なくとも週に1回は起きている
上記に当てはまる数が多ければ多いほど、多汗の可能性が強まります。
あなたはいくつ当てはまりましたか?
多汗症かもしれない・・・そう思ったら次にすることは?
不快な症状を改善するために受診をおすすめします。
全身性多汗症の可能性を疑った方は
その背景となる疾患を探る必要があります。
更年期症状であるホットフラッシュやホルモン異常を疑う方は婦人科受診をしてみましょう。
結核などの感染症を疑う場合には内科~呼吸器科になります。
家族にリウマチの方がいる場合や、リウマチを疑う場合には「リウマチ科」もしくは「内科」「膠原病科」などを受診します。
まずは背景となっている疾患の治療が先決です。
部分多汗症の可能性を疑った方は
軽度であれば外用薬(塗り薬:塩化アルミニウム液等)でも改善することがあります。
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皮膚科を受診される方が多いですが、多汗症に関して治療経験のない場合もあります。
受診前に、電話で診察可能かどうかを確認しておくといいと思います。
手の平からの発汗が多い場合には「胸部交感神経節遮断術」を行う場合があります。(※保険適用)
この治療は手の平からの汗を効果的に止める働きがあるのですが、デメリットとして、背中や腹などに汗をかく「代償性発汗」を起こす可能性があります。
受ける際にはそのような副作用がある点を理解しておく必要があります。
また脇の下の汗であれば、保険適用でボトックスを受けることが可能です。
この際、「原発性腋窩多汗症」の診断がつく必要があります。
ボトックスの場合は安全性が高く、副作用の報告もほとんどありません。
脇の下の汗に悩まれる場合にはぜひ利用すべきだと思います。
多汗症セルフチェックのまとめ
一言で多汗症といっても、汗をかく場所や原因によって治療方法は様々です。
しかし、保険適用となる治療法も多いという点も含め、病院は活用した方がいいと思います。
行動を起こすことで一日も早く多汗の症状が緩和されることを願っています。