
○この記事は約8分で読めます。
スソワキガってご存知ですか?
ワキガ臭を発生させるアポクリン腺。
このアポクリン腺は実は体の決まった部分にしか存在しません。
なぜか―。
そもそもアポクリン腺は異性を引きつけるための「フェロモン」の役割をしていたんです。
フェロモンは子孫繁栄のために、雌雄を引き寄せるもの。
よって、より効果的な場所でフェロモンを放つアポクリン腺が発達しました。
より効果的な場所。
もうお分かりですね。
アポクリン腺は比較的セクシャルな場所に多く存在します。
理性が働く現代。
フェロモンという原始的なものは少しずつ退化し、私達日本人に至っては全体の10%しかフェロモン、いわゆるワキガ臭が出なくなってしまいました。(ちなみに黒色人種(ネグロイド)では100%ワキガです)
ということで、ますますワキガの私達は居心地の悪い社会なわけです。
話は少々脱線しましたが、このような理由からあそこが臭い、あそこからワキガの臭いがする場合があります。
これが「スソワキガ」です。
スソワキガのセルフチェック
スソワキガを持つ方のほとんどはワキガでもあります。
多くの場合、ワキガの方がスソワキガよりもアポクリン腺が活発に活動していることが多く、臭いの程度もワキ>陰部がほとんど。
陰部のアポクリン腺は、ワキのアポクリン腺と比べるとすでに退化し、「瘢痕化」した状態になっていることが多いのがその理由です。
よって、ワキガだと自覚していても、スソワキガには気がつかずない場合があり、チチガ同様に多くはパートナーからの指摘により自覚するパターンになりがち。
スソワキガを指摘されて、平気でいられるほど私達のハートは強くありません。
できれば、大切な人に指摘される前に、セルフチェックで自覚し、対策をしておきたいですよね。
ということで、スソワキガかどうかのセルフチェック方法をまとめます。
- ワキガである
- 白い下着に黄色いシミができたことがある(オリモノシミを除く)
- 陰毛が濃い
- 肛門周囲の毛が濃い
- パンツを嗅ぐとワキガ臭に似た臭いがする
陰毛や肛門をティッシュペーパーで拭いたものをジップロックなどの密閉したものに入れて、別室で嗅いだ時に酸っぱいワキガ臭がする場合にはスソワキガである可能性は高いです。
しかし、陰部は下着により蒸れやすく、スソワキガでなくともオリモノの臭いや通常の汗(エクリン腺からの汗)を雑菌が分解した汗臭である場合もあります。
なので、ワキガと比べると判断は難しいです。
病院での診断においても、上記に書いたようにスソワキガの原因となる陰部・肛門周囲のアポクリン腺は退化し、瘢痕化している場合がほとんどなので、手術前の試験切開をしても、はっきりアポクリン腺の存在が確認できません。
100%スソワキガと診断するのは医師でも難しいのです。
またワキガの方の全員がスソワキガを併発するわけではありません。
スソワキガ保持者はワキガの方の中でもさらに少数派になります。
またワキガじゃない人のほとんどはスソワキガにはなりません。
ですが、スソワキガで悩む人は後を絶ちません。
なぜでしょうか?
あそこが臭い=スソワキガではない
あそこ、と言われる陰部周囲は体の中でも一番湿度が溜まりやすい場所です。
洋服や下着などで覆い隠され、発汗も盛ん。
さらに女性はオリモノなどの分泌物や月経に伴い血液なども流れ出てきます。
どうしても湿っぽくなってしまいやすいですし、
このムレにより雑菌も多く繁殖します。
結果、アポクリン腺由来のスソワキガでなくとも「あそこが臭い」状態になってしまいやすいのです。
オリモノの臭いは個人差がありますが、
全く無臭という人もいれば、ヨーグルトのように酸っぱい臭いがする場合も。
膣内は「自浄作用」という働きがあり、雑菌が入っても自力で殺菌できるように常に酸性に保たれています。
この酸性を維持するために膣内には「デーテルライン膣桿菌」と呼ばれる菌が存在します。
この菌は乳酸菌の一種。
そのため膣内、オリモノがやや酸っぱいヨーグルトのような臭いになるのです。
通常、膣から出たオリモノはあまり強く臭いません。
下着やオリモノシートに付着し、それが乾燥する時に臭いを発します。
この臭いの強弱にも個人差があります。
さらにはムレに伴う雑菌繁殖により、汗(エクリン腺)が分解されても臭いが発生します(汗臭)。
これとオリモノの臭いが混じると、刺激臭として臭いを強く感じることもあります。
何が原因でもあそこの臭い対策は一緒
(※膣内の炎症や感染症によるものを省きます。詳細は下記にまとめます)
例え、実際にアポクリン腺からの汗分泌に伴うスソワキガであっても、そうじゃなくてもあそこの臭い対策は基本的には一緒です。
「洗浄・清潔・乾燥」
この3つを意識します。
具体的にどうするのかをまとめますね。
【洗浄】
丁寧に洗浄する
婦人科に行くと、陰部はぬるま湯だけで洗いましょう、洗いすぎに注意しましょうというような事が言われます。
これは、臭いを気にする人は膣内まで石鹸で洗うケースが多く、それを注意喚起するため。
膣内は、デーテルライン膣桿菌という菌をメインに菌のバランスが保たれています(正常時)。
ですが、臭いを気にするあまり、膣内を洗浄力の強い石鹸で洗ったり、頻回にビデで洗い流したりすると、この菌バランスが崩れ、大腸菌やブドウ球菌といった雑菌が膣内で繁殖し、膣炎を起こすこともあります。
よって、膣内は過剰に洗うべきではありません。
しかし、これを履き違え、きちんと陰部を洗浄できていない方も。
女性の陰部は他の部分の皮膚と違い、デコボコと入り組んでいます。
それをさらっとぬるま湯で洗い流すだけでは、深い溝部分に「恥垢(ちこう)」と呼ばれる垢がたまっている可能性があります。
可能であれば、足をしっかりと開いて陰部を鏡でみてみてください。
そしてヒダを指で広げてみてください。
一番深い溝に白い筋のように見えるものはありませんか?
それが恥垢です。
剥がれ落ちた皮膚の他、尿やトイレットペーパーの切れ端などが恥垢となって、溜まっていることがあります。
恥垢は雑菌繁殖の温床になりかねません。
これは毎日しっかりと取り除く必要があります。
基本的には、刺激の強すぎない石鹸を選び、よく泡立て指の腹で優しく溝をなでていきます。
溝といっても、膣の中には指は入れません。
あくまでも膣周囲のヒダまでです。
洗う順番ですが、
陰部は内側から外側が基本。
肛門は一番最後に洗います。
肛門に触れた手でもう一度陰部に触れるようなことは避けます。
肛門周囲は大腸菌をはじめとして雑菌がたくさん住んでいます。
その手で膣周囲を触ると、雑菌を膣近くに運んできているようなものです。
陰毛部分は泡で包み込むように優しくマッサージしながら抜ける毛は抜いてしまいましょう。
最後にしっかりとぬるま湯で流して完了です。
この時もヒダ内側まで流しましょう。
泡が残ってしまってはそれが石鹸カスとなり、またしても雑菌の温床になりかねません。
石鹸は、デリケートゾーン用のデオドラント石鹸が一番臭いに効果的であり、皮膚刺激も少ないのでおすすめです。
ワキガ部分と共用で使うのをおすすめします。
(ミューズ以外。ミューズはデリケートゾーンにはやや刺激が強いです)
>>>【参考】ワキガに最適なデオドラント石鹸まとめ【安価&効果大】
【清潔】
オリモノシートを使う
下着はムレやすいもの。
またアポクリン腺は膣の周囲を守るようにぐるりと取り囲む「大陰唇」に最も多いです。
この大陰唇が一番触れる部分はこまめに交換することで、臭い発生を予防します。
オリモノシートを使えばパンツを履きかえることなく、一番臭いが発生しやすい部位を清潔に保つことができます。
臭いが気になる時にはトイレに行く度にオリモノシートをするようにしましょう。
下着は酸素系漂白剤でつけおき1時間
特定の服や下着を着用した日にだけ、臭いが気になる・・・という経験はないでしょうか?
これは衣類に臭い菌が移ってしまったことが原因。
臭いのもとは脂質やタンパク質で、衣類の繊維に絡みつき、通常の洗濯だけではなかなか落としきることができません。
これを予防するために、下着は洗濯前に酸素系漂白剤を入れたぬるま湯で1時間ほどつけおきしてから洗濯します。
こうすることで、衣類についた臭い菌や臭いのもとが取れやすくなるのです。
つけおきしたらいつも通り洗濯し、あとは乾燥させるだけです。
毎回のつけおきが面倒であれば、衣類用の除菌・消臭スプレーをかけるようにします。
これは手軽でつけおき洗濯と同等かそれ以上の効果を得られるのでおすすめです。
>>>【参考】ワキガで服まで臭くなる?!臭い移りの予防対策まとめ
【乾燥】
ナイロン下着は着用しない
おしゃれなデザインが多いナイロン系素材の下着ですが、この素材はムレやすく臭い菌が繊維に絡みつきやすいです。
ワキガを自覚されている方で、ナイロンやポリエステルといったつるんとしたサテン生地のような素材の服を着たとき、いつもよりもワキガ臭がキツく感じたという人も少なくないと思います。
スソワキガに限らずあそこの臭いでもそれは一緒。
ムレやすい分、雑菌が繁殖しやすく臭いが強く出やすくなります。
下着への臭い移りも起こしやすいです。
基本的には綿100%の衣類がおすすめ。
シルクも吸汗・発散効果が高いのでおすすめなのですが、高価なものが多く、万が一臭い移りしてしまった時におすすめの対策「煮洗い」ができません。
綿であれば安心して煮洗いできるので、メンテナンスの点からも綿100%下着の着用をおすすめします。
パンツスタイルよりもスカートを
デニム素材などは生地が厚いので、汗をかくとムレやすいです。
その点、スカートは常に換気されているので、ムレを起こしにくいです。
臭いが出るのを怖がり、スカートを履かないという方もいますが、臭いを減らせるためにはパンツスタイルよりもスカートの方がおすすめです。
デートの時など、Hの可能性があればなおさらその日はスカートがよいでしょう。
どうしても不安な場合にはミョウバン水をコットンにとり、優しく大陰唇を中心とした陰部をパッティングします。
>>>【参考】ミョウバン水のワキガ消臭力に驚き!【簡単&安価】
あとはしっかり乾燥させてから下着を着用すると臭いが出にくいです。
ミョウバン水はエクリン腺・アポクリン腺両方の汗に対して制汗作用が高く、殺菌・臭いの中和などの効果があります。
長時間効果を発揮してくれるものですが、できれば、デート前にミョウバン水をもう一度つけておくとさらに安心です。
もっと高い効果を期待される場合にはデリケートゾーンに使えるクリームタイプのデオドラント剤を使うのも手です。
あそこの臭い、病気からくるものの場合もあります
その臭いはいつから続いていますか?
もし、急に臭いが出てきたり、臭いが強くなってきたのであればそれは「体の異常のサイン」かもしれません。
魚のような生臭さがあるなら細菌性膣炎の可能性
代表例として、細菌性膣炎があります。
オリモノの量が増えたり、臭いが魚の生臭さに似たようなものの場合はこれが考えられます。
細菌性膣炎は性交だけで起こる性病ではなく、ライフサイクルの変調、ストレス、睡眠不足などからも起こる可能性があります。
疑いがある場合には速やかに受診しましょう。
膣剤等で簡単に治る場合がほとんどです。
ただし、繰り返す場合があるので、清潔に注意しなるべく疲れないように生活する必要があります。
その他、トリコモナス膣炎やクラミジアなどの感染症によっても悪臭を発する場合があります。
このように炎症がもととなって臭いが出ている場合には、デオドラントソープ等では改善されません。
炎症を見逃していると、さらに悪化の危険もあります。
婦人科受診は女性にとって気が重いものではありますが、勇気を持って早めの受診を心がけましょう。
あそこの臭いまとめ
あそこの臭いとなると、人に相談するのにはとても勇気が必要ですね。
本来であれば、一番に相談したい大切なパートナーには、なおさら相談できないと思い悩まれる方もきっと少なくないと思います。
気づかれる前になんとかして治してしまおうと考えるかもしれません。
スソワキガは上記に書いたように診断の特定が難しいものの一つです。
そして、実際はスソワキガでなくともスソワキガだと思い込む人も少なくありません。
今回まとめたスソワキガの対策を実践していただき、気がついたらあの臭いが消えていた・・・!という方が一人でも多くいてくれたらと思っています。
ちゃんと洗って、清潔にし、ムレさせない。
これを守るだけであそこの臭いはきっと変わってきます。
ぜひ、諦めず、思い悩まずにチャレンジしてみてください。