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意を決して受けるワキガの手術。
いくら相手が医師とはいえ、
今まで誰にも見せたことのないワキを人に見せるのもすごく勇気がいること。
簡単だと言われても、体にメスを入れるのはやっぱり怖い。
それでもあの臭いとサヨナラできるのなら・・・!と覚悟を決めて手術を決意するのだと思います。
そうまでして頑張って受けた手術。
ですが、その先に「術後臭」が起こる可能性があるのはご存知ですか?
ワキガ手術の後に起こる術後臭とは?
ワキガの手術後にワキガ臭が再発したり、これまでよりももっと強い体臭(ワキガ臭とは限らない)が発生することを言います。
しかし、多くの口コミで目にするこの「術後臭」ですが、実は科学的根拠の裏づけがハッキリあるものではありません。
それなのに多くの方がワキガ手術を受けた後に、術後臭を実感しています。
ではなぜこの術後臭が発生するのでしょうか。
アポクリン腺の取り残しが原因になることが
アポクリン腺は再生能力のある細胞です。
しかし、取りきってしまえば再生はしません。
問題になるのは「アポクリン腺」を完全に取り残せなかった場合になります。
ワキガの外科的な手術には「剪除法」や「吸引法」があり、この二つが主な術式です。
剪除法は、ワキの下を3~4cm開き、アポクリン腺を医師が目視で確認しながら切除してしまいます。
中でもワキの皮膚を反転させて切除する「直視下反転剪除法」は特に再発リスクが少ないとされています。
↑剪除法の一例
しかし、もう一方の「吸引法」による手術の場合、
皮膚を1cmほどしか切除せず、そこからカニューレという管を入れて、アポクリン腺を吸引する術式になります。
これだと、アポクリン腺がどこまであるのかが目で確認できず、予測的に吸引するため、アポクリン腺を残してしまう可能性があり、よって再発のリスクが高くなります。
吸引法は傷が小さく、跡が残りにくいというメリットがありますが、再発というデメリットを抱えているワケです。
この吸引法を選んだ方に、術後臭が出たという方が多いのはこのためです。
剪除法と吸引法のメリット・デメリット
(※画面が小さい(スマホ等)場合は、表は左右にスライドします)
剪除法 | 吸引法 | |
保険 | 可能 | 可能 (ほとんどの施設で行っていない) |
金銭面 | 両ワキ4万円程度 | 両ワキ15万~50万円 |
再発 | 低い | 高い |
傷口 | 3~5cm程度 | 1cm程度 |
傷跡 | 残る (目立たなくするのは可能) |
残る (ほとんど分からない) |
痛み | 1週間くらい | 数日内 |
アポクリン腺が再生しなくても
受けた術式にもよりますが、医師が目視にてワキガの発生源であるアポクリン腺を完全切除した場合、切除部位からワキガ臭が起こることは科学的にはありません。
臭いの発生の元となっているアポクリン腺がないのですから。
しかし、それでも体臭が出ていると感じる方はいます。
一つにはワキガの臭いがなくなったことで、他の体臭に意識が向き、それがひどく臭っているように感じてしまう可能性があります。
この場合、臭いの種類はワキガ臭ではなく、どちらかというと汗臭・加齢臭といった種類の臭いになるようです。
中には、ワキのアポクリン腺を取ったことで、他の汗腺が活発になってチチガやスソワキガなどを悪化させた、という意見も見られますが、これは医学的見地からは否定されています。
思春期以前の手術では再発率が上昇
まだ身体が発達段階にある時点で手術をした場合、再発リスクは高いです。
通常、アポクリン腺は第2次成長の完了をともにその成長をストップさせます。
それまでは、例え完全に取りきったと思ってもアポクリン腺が再生する可能性は高くなります。
精神的な観点からの術後臭
これを自臭症といいます。
自臭症(じしゅうしょう)とは周りから臭いと思われていると思い込む精神疾患。
自己臭症(じこしゅうしょう)または自己臭恐怖症(じこしゅうきょうふしょう)とも呼ばれる。
嗅覚に幻覚が出る幻嗅の一種である。
Wikipedia
ワキガで悩んできた方は、臭いに対しての恐怖心が非ワキガの方よりもずっと高いです。
手術を受けるというのはお金もかかるし、身体への負担もある。
それでも、どうしても臭いと決別したくて、手術を受けます。
その期待の高さは裏返すと「また再発したらどうしよう」という不安と背中合わせ。
ちょっとでも体臭を感じることで「ワキガが再発したんだ!」と絶望しやすいです。
これが自臭症を引き起こし、自分は手術をしてもやっぱり臭いんだと思い込んでしまうきっかけになっている方もいるようです。
手術を受けようと思ったらとことん不安は消していこう
ワキガ臭と最も効率的に、そして確実にサヨナラする方法が外科的な手術だと言えます。
それなのに、術後にまたワキガ臭やそれ以外の体臭で悩んでしまうようであれば手術をやる意味がない、といっても過言ではありませんね。
現在、ワキガの手術は保険適用できるものがあります。
剪除法はその一つで、方ワキが大体1万7千円~2万円で可能です。
両脇をやっても4万円程度。
(※クリニックによっては剪除法でも保険が使えない場合があります)
これならチャレンジしてみよう!と思う方は少なくないと思います。
最近は保険適用の剪除法であっても美容外科を経験した医師が傷跡を最小限にする縫合をしたりと、レベルの高い治療が期待できます。
そうなるとなおさらやってみたいと思う方もいると思います。
ですが、不安はゼロにして手術に臨んでください。
不安があれば、手術したことを後悔しかねません。
わずかな汗臭を感知しては、「ワキガが再発した!」「以前よりも臭いが強くなった」と思い、手術したことを後悔している人が後をたちません。
私が信頼しているワキガ専門治療医の五味常明医師は、不安が一ミリでもあれば手術はしないと言っています。
完全に信頼し、信用してもらっての手術でなければ、結果に満足いかない場合に後悔させてしまうからだそうです。
不要なものという認識のアポクリン腺ですが、
一度取ってしまえば、「やっぱりまた元通りにくっつけてください」ということは不可能です。
だからこそ、よく考えて手術を検討する必要があります。
術後臭のまとめ
●術後臭に科学的根拠はない(アポクリン腺再生によるワキガ再発以外)。
●剪除法と吸引法では、剪除法の方が再発リスクが少ない。
●ワキガが治っても他の体臭(汗臭・加齢臭・皮脂臭等)に意識が向き、術後臭と思い込んでしまうことがある。
●どんなに臭いが取れても、自分が臭いと思い込む「自臭症」というメンタルな疾患がある。
●手術を受けるのであれば、徹底的に医師と相談し不安を完全に取り去ることが大切。
今より悪い結果を期待して手術する人はいません。
ワキガ手術が長年存在し続けているのは、結果的にワキガ臭をサヨナラできた人がちゃんと多くいるからです。
手術を前向きに考えることは、自分自身を次のステップに高めるチャンスだと思います。
手術に限らず、自分が心から納得できるワキガ対策がみつかりますように♪
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